陰陽五行ー五行・蔵干(06)

5.五行の旺と四時 旺相死囚休

十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)は一年十二カ月十二支(寅卯辰巳午未申酉戌亥子丑)の移り変わりにより変化をします。別の言い方をすると、陰陽五行木火土金水は天と地の間をいろいろな条件や制限、太陽の恩恵、水潤の恩沢を受けて必衰消長し、とどまる事無く周行しています。ここに春木旺 夏火旺 秋金旺 冬水旺 四季土旺となるわけです。旺があれば不旺もあるわけで、存在はするがその機能や活動を止めている時を死令といいます。五行の力量を知るためで、春の木は旺、夏の木は休、秋の木は死(実をとり、枝を払い)冬の木は相(力を根に蓄えて春を待ち、また春になると旺じる)といいます。土は春夏秋冬の間にあって旺じ、土用と私たちが云っているもので、土が最大の力を発揮します。

四季

二十四節気の中で「立」とつくものが4つあります。立春 立夏 立秋 立冬の4つです。これを「四立十八前」といい、立春であれば立春の前十八日と六時間土旺であるということです。土は万物のもとであり、万物の帰するところで春夏秋冬のそれぞれ十八日あり、木火土金水をしてその効用を促し、助力しています。

○今まで土を火と一緒にして考えられてきましたが、それは全くの誤りです。一番困るのは十二運ではっきりしてきます。戊土の長生が寅、帝旺が午、墓が戌、絶が亥ではあてはまらなくなります。

○十二運と旺相死囚休をまぜて使うことも異なります。はっきり違うのは十二運は質であり、旺相死囚休は量で、生成発展衰滅するものの持つ力量だということです。

○また旺相死囚休について、古書に「すべて旺令にあたっている時はその子をもって相とする それは生じられた子が次に旺ずるものであるから、よく相けて(助けて)万事を治めるものであるからである。父母は休してその子は旺となって、気は正に盛んである。父母衰老(洩気)してしまえば、万事を治めることができず、ちょうど堯帝が老いて舜帝にその位を譲るようなもので国政を任すことと同じことです。

尅するところのものを死とするのは、その身主が旺じているので、その対立するものを制圧するからであります。畏まれる(かしこまれる)ところのものを囚とするのは相となる子の敵となるからです。

○サマータイムについて
戦後昭和23年から26年までの4年間サマータイムが実施されました。この間生まれの方を見るのは注意が必要です。
昭和二十三年五月一日夜十二時を五月二日午前一時とし、九月十一日夜十二時を十一日夜十一時とする。
昭和二十四年四月二日夜十二時を四月三日午前一時とし、九月十一日夜十二時を十一日午後十一時とする。
昭和二十五年五月六日夜十二時を五月七日午前一時とし、九月九日夜十二時を九月九日午後十一時とする。
昭和二十六年五月五日夜十二時を五月六日午前一時とし、九月八日夜十二時を九月八日夜十一時とする。
したがって、この間の生まれの人は一時間ずつ時間を早める。

6.蔵干(地支蔵干と分野)

藏干 (地支 藏干と 分野)
戊 5 辛 9 庚 10 己戊 5 丁 9 丙 10 戊 5 乙 9 甲 10 戊 5 癸 9 壬 10 余気
甲 9 丁 3 壬 9 乙 3 庚 9 癸 3 丙 9 辛 3 中気
壬 16 戊 18 辛 20 庚 17 己 18 丁 21 丙 17 戊 18 乙 21 甲 14 己 18 癸 21 本気

蔵 = しまわれている かくされている

地支の働きを考える時、支蔵されている天の気として

蔵干があります。三元といわれている中の人元にあたるものです。三元とは天元・地元・人元のことです。

天元”とは、つまり天干の甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸のことです。

地元”とは、地支、つまり十二支の子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥のことでです。

また”人元”とは、十二支の”蔵干″の意味です。蔵干分野を太陽暦に直すと上の表になりますが、次のことだけは覚えてください。

寅申巳亥  余気5 中気9 本気残
辰未戌丑  余気9 中気3 本気残
子午卯酉  余気10    本気残

子年を例にすると子月の節入り後10日は壬水が司令し、その後の21日間は癸水が司令する。子月節入り8日とすると一月18日までは壬水司令となり、その後の21日間は癸水司令です。つまり丑月節入り前迄は残る日数となります。

1.?年支蔵干のいずれに該当するか月の深浅による
2.?月支蔵干のいずれに該当するか日の深浅による
3.?日支蔵干のいずれに該当するか時の深浅による
4.?時支蔵干のいずれに該当するかは令の深浅による

三元をあえて言うなら天元(十干)は気であり、地元(十二支)は体であり、人元(蔵干)は用であると分けることもできます。いくら天干に気が透出していても体が悪ければ、その用は発揮できません。(冲・合・尅 が傷になっているとき)また体がよくても気がなくては その働きは小さいものとなり、また生年月日時の並び方、でもその作用は異なるものです。天の気を受けたものが支の中に蔵されているわけですから、その能力・才能を発揮するために三者がうまくマッチしなければなりません。

また蔵干によって格局も定められています。

生年月日時の中で月支を重要なものとし、春夏秋冬四時に始まり、月支の蔵干と日干とを対照して格局を定めます。特に月支の蔵干が天干にあるとき、これを透出、透干とよび、その干の作用は強力に発揮されるわけです。

癸  巳
甲  寅(戊丙甲)
己  丑
辛  未

その上、2月20日過ぎなら本気に生まれることになり、この甲木(天干)の力はたいへん強いということになります。天干は社会ですから、戊丙の余気、中気のものより甲が外に出て、力を発揮していることになるわけです。日の己は自分(身主)です。己土から見て甲木は正官にあたりますので、正官格とします。地支に蔵干とい考え方がどんな発想から出てきたかは後半に詳しく勉強するときに説明します。