季節に関係する暦のことば

臘日
二十四節季の小寒以降、二度目の辰の日。一年の最後の日とされ、大みそか、大歳、おおつごもりともいう。臘というのは猟のことで、狩りを行い、獲物を先祖の霊に捧げる祭りのことである。立春と同じように年の改まる日とし、年末に行われるようになった。冬の季(水)の陰気が終わる時で、土性である辰の日に水が土に還り、潤い、万物が生じるという意味がある。水土の徳を感謝し、神を祭る日。

旧正月
旧暦の正月。地方によっては新暦の元旦より重きをなす。

節分
本来は二十四節気の気候が変わる立春、立夏、立秋、立冬の前日のことであったが、次第に春だけに用いるようになった。現在では立春の前日の名称である。年越し、歳とり、あるいは大豆をもって悪鬼を追い払う追儺(ついな)、鬼やらい、豆まきともいう。鬼は陰気、福は陽気大豆は壮健(まめやか)をあらわし、豆を打って陰気を払い陽気を迎える意味を示す。

初午・二の午・三の午
二月の最初の午(うま)の日を初午といい、お稲荷様をお祭りする。二の午、三の午と続ける地方もある。江戸時代は子供が寺子屋へ入門する日であった。

八十八夜
立春より数えて八十八日目。春から夏への境の頃。俗に「八十八夜別れ霜」と称し、戸外で植物を育てたり、種を蒔いても懸念がなくなるとされ、農家はこの日を祝い重んじる。

入梅
太陽黄経80度に達する時を称し、夏至を中心として三十日から四十日の間に梅雨に入るとされる。

社日
社とは土を司る神様のことで春社と秋社がある。春社は種蒔きの頃五穀豊穣を祈り、秋社はその収穫を感謝する。

半夏生(はんげしょう)
太陽黄経100度に達する時。七十二候の一つで、夏至の第三候で、夏至から数えて十一日目。どくだみ科の半夏生に由来するので、この頃の雨には毒が含まれているといわれ、種蒔きを嫌う。

盂蘭盆会
月遅れのお盆。本来は七月十五日を中心に行われる仏事だが、地方では旧暦で執り行う。祖先の霊を自宅に迎え入れて祀り、子孫繁栄を願って供養する。

土用
土公神様が支配するこの期間のことで、立春、立夏、立秋、立冬になる前の十八日間をいう。特に夏はこの頃の暑さは厳しく、体力の消耗が激しいので、鰻や土用しじみを食して、夏バテを予防する習慣がある。

二百十日・二百二十日
立春より数えて二百十日目と二百二十日目。稲の開花期だが、ちょうど台風の来襲期と重なるため、古来よりこの頃を要注意期とした。農家の厄日とされる。

彼岸
春分・秋分の日の前後七日間をいう、入りから四日目が彼岸の中日となる。彼岸の名称は仏教でいう現世を離れ、極楽浄土の岸に至るとの意味で、先祖を供養し、墓前に香華を手向けて仏事をなす。また暑さ寒さも彼岸までといわれる通り、寒暖も峠をこして温和な気候となる。

十五夜・十三夜
十五夜は中秋の名月といい、旧暦八月十五夜の満月をお祭りする。十三夜は旧暦九月十三日夜の満月を祭る。十五夜を「前の月」十三夜を「後の月(のちのつき)」という。

三伏
五気思想から出てきているもので、初伏・中伏・末伏がある。旅立ち、婚姻はよくない。

重陽
菊の節句のこと。延命長寿を願い、邪気祓いのために菊酒を飲む。

酉の市
十一月の酉の日に全国の大鳥神社で行われる祭事。縁起物の熊手は商売繁盛のお守り。

大祓い
六月と十二月の末日に行う行事で、犯した罪や穢を祓い、清めるために取り行われる。