気学の成立(02)

一、気学の成立

一白から九紫まで九種類に分けられている気学の源は、古代中国において、あらゆる思想の土台となった陰陽二元説と易が結合したものであるといわれています。

陰陽二元説とは対立する天地陰陽の二気が相い交わって万物を生成し、その作用なり応用なりが宇宙万物と人生のあらゆる面にわって、生成変化のはたらきをするという思想です。

一方、易については、その作者は太古中国の超能力者であった伏義が創作し、周の文王によって春秋時代(紀元前七七〇~二二一年)に成立をみたとされています。

易は天道を推して人事に及ぼし、広大ことごとく備わざるはない。易は修養の書であり、経論の書であり、立命の書である。以って身を修むべく、以って事業を興すべく、以って尊富安寧を保つべく、以って貧購不遇に処すべきである」と説かれています(『易経』 上高田真治・後藤基巳訳より)。

易の示す所のものはおよそ天地の間の事に係わらないものはないのです。そして人は天と地の間にあって万物の代表として天の法に従い、地の礼を守って天下を治めてゆきます。これがいわゆる天・地・人三才の理と称されるものです。易とは古代中国人の人生における生き方を教えた道徳書であり、人生の手引き書であって、それ自体は哲学書であるといえるでしょう。

天地陰陽を土台として自然界の無限無窮の変化が、人の運命にどのように影響してゆくかを解明してあるのが易である事は、既に理解された事と思います。

宇宙の自然現象を八種類に分類したものを卦と言います。
乾(天)・発(沢)・離(火)・震(雷)・巽 (風)・吹(水)・艮(山)・坤(地)
この八種類の卦を八万位に配して方位を見るために作ったものが、気学の源となっています。

これには先天図と、後天図の二種があります。

先天盤

先天盤

先天図は伏義八卦図と言われ、後天図は文と言われています。現在普通日常に用いられている九気盤、あるいは気学盤として傾用されているのは後天図の方です。然し後天図と先天図は、切り離して考える事が出来ない位に密接な関係を持っています。

後天盤

先天盤は自然界の姿をそのまま象どっている立体図であり、後天盤は平面図であって地上の方位・四季を象どっていまして、これに十二支を配置したのは、ずっと後になってからです。

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