判断法ー気学の利用法
気学は元来、「易」を母体にして構成された方位学です。忙しく毎日を送っている我々の生活にとっても、方位は決して無視してはならないものです。何か行動しようとすれば、そこには必ず方位がともないます。
右に行くか、左に行くかで人生に大きな差が出来る事は、我々もしばしば経験している事です。あの時あそこにいっていたら、と思わなかった人はないでしょう。なぜ一緒にいったのに私は……。彼の人は……。と思わない人はいないはずです。そうです。人にはそれぞれ、ゆけば良くなる方位、いっても良い方位、絶対にいってはならない方位があります。幸せになりたい、と思うのは誰でも同じです。ではどうすれば? という答がこの方位学です。
世の中で人の上に立っている人、名声を得て、幸せに暮している人のすべてが素晴らしい運命を持って生れているのではありません。どんなに素晴らしい運命を持って生れて来ていても、必ず成功するとは限りません。どんなに頭がよくても、才能があっても、突然の出来事によって転落したり、事故によって再起不能になるなどの出来事は、私達の周囲にどれ程ある事でしょう。
自分の運命は自分で開いてゆかなくてほならな・いのです。「精神一到何事か成らざらん」のような精神主義、「叩けよ、さらば開かれん」式の他力本願でいては、絶対に運は開けないでしょう。
何か事を始めようと思ったならば、まず方位を見ましょう。次に始める時期を選んでから行動にかかれば、結果的には開運につながります。
誤って殺気や破殺方位を用いてしまった時は、どうすればよいか、の問いによくぶつかる事があります。答は唯一つ、早く吉方に出る事しかありません。おまじないやおはらいの類で殺気を消してしまえる事は、ほんのわずかな場合を除いてまずないといってよいでしょう。なぜ病気になったのか、なぜこうなったのかには、それぞれ遠国があります。それを解明するのが先決問題です。
気学による運勢判断法は沢山あります。その中のどれ一つをとってみても、優に一冊の本になってしまいます。しかも九気盤を用いての判断法は非常に適中率の高いものである事は、多くの人が認める所です。然し、私は気学は原則的には方位学であると信じています。
今回は、同会法と蔵気についてだけ、ごく簡単に述べておきます。
同会 年盤と月盤を重ねてみます。その月の盤で自分の本命が遁甲している所と、年盤の各九気が遁甲している場所を合わせて、同じ場所にあるものを同会しているといいます。
図の様に上下を重ねてみれば、月盤の五黄は中央に遁甲して、年盤の二黒と同会しているのが解ります。又、月盤の一白は北に遁甲して年盤の七赤と同会しているのが解ります。月盤の五黄は年盤の二黒、一白は年盤七赤の作用にコントロールされるのです。
すなわち、五黄土星は年盤の二黒の作用を受けるので、仕事に対する意欲が出てきて一生懸命にこつこつ働き、地道にふるまうようになるでしょう。昔の友達に逢ったり、郷里の年よりを訪ねていって、喜ばれたりするものです。
一白の人は、七赤と同会して勉強、研究の成果があがるでしょう。今までやって来た仕事がひとくぎりとなって蔭の援助が厚く、実利を得る事も多いでしょう。将来のプランを色々ねりなおしたり、静かに考えたりする時を迎えるはずです。又、新しい愛情が芽ばえる時でもあります。けれども心眼がくもっている事にも気をつけなくてはなりません。
一番注意しなければならない人は二黒の人でしょう。八白暗剣と同会しますから、事故や発作に注意しましょう。身体的に、精神的に障害を受けやすい状態になります。
被同会とは同会される事です。例えば四緑の人は八月の盤で七赤に同会されますから、七赤に被同会といっます。
被同会の時は年を基準とします。向うから接近して来るとみればよいのです。つまり、八月には七赤の人の意識が四緑の人にひさよせられるのです。四緑の人は七赤の人をひきつける力を持つ事になるのですから、四緑の方が力は強いのです。
毎年、毎月、毎日の遁甲状態と同会、被同会の状態を注意してみていれば、ある健度将来の見通し、現在の状態が読みとれるはずです。
何かしようと思ったら……
1、遁甲状態をみる
2、同会をみる
3、被同会をみる
その上で自分の行動のプランをしっかり立てましょう。同会法を知るには、まず遁甲法をよく認識していなければなりません。
例えば、本命が一白と同会すれば、北に遁甲したと同じ意味を持つ事にもなるのです。あるいは、東南に遁甲して盛運の時であるといっても、破殺や暗剣殺と同会していれば、慎重に行動して災害から身を守るように考慮しなければならない事はいう迄もない事でしょう。
すべて平面的に考えない七、立体的に考え、行動を起こす前に、相手の遁甲状態、同会状態をよく調べてから事にあたりましょう。
蔵気
蔵気とは自分の中に隠れている才能や素質を現わすもので、表面には出て来ていません。蔵気を出すには生れ年の盤と、生れ月の盤を重ねてみます。
例えば本命七赤金星の人で、八月生れの人がいたとします。本命七赤金星で八月生れは月命が二黒です。七赤中央の盤と二黒中央の盤を重ねると九紫が対申します。すなわち、この人の蔵気は九紫です。この人の意識は常に九紫星のものにひきつけられているのですし、素質才能等も九紫系統のものを内包していると判断します。例えば非常に気位が高い、学問、宗教に関心が深い、派手な事が好き、感受性が強い等々があげられます。西の九紫には暗剣殺がついている事にも注意してください。何か中途挫折する事があるか、手術をするようになるなどの暗示があるのです。
例えば、本命六白、月命五黄の人の蔵気をみてみましょう。六白中央の盤と五黄中央の盤を重ねてみれば一白が対中しています。
この人の蔵気は一白です。従って一白の象意である辛抱強い、冷静である、愛情深い、社交性がある、色情難がある等々が内包されているとみればよいでしょう。
一白年の一白月生れ、二黒の年の二黒月生れの人の蔵気を次に記します。
一白・一白~ 九紫
二黒・二黒~ 八白
三碧・三碧~ 四緑
四緑・四緑~ 三碧
五黄・五黄~ 九紫
六白・六白~ 二黒
七赤・七赤~ 八白
八白・八白~ 七赤
九紫・九紫~ 一白
以上ごく簡蛍に、二厚意の判断滝について説明しました。まだまだこの他に、傾斜法・九星「気」掛り法・吉方取りの法等々、数多くあります。
九気・九星にかかわる体と用は、非常に奥が深く、又幅の広いものがあります。それぞれに異なった作用と性格を持つ九種類のホシによって支配されている。目に見えない方位の力が、人の運命に与えている影響は、いくら科学の発達している現代社会でも、決して無視する事は出来ないでしょう。
ある白、ある場所へいって出逢った人、又は手にした一冊の本が、その人の一生を変えてしまう事は、決して珍しい事ではありません。そこに運命の神秘と方位のもたらす力を感ぜずにはいられないでしょう。
人の重大な一生の運命にかかわる、学問・職業・病気等についても、ただ本を読めば解るというやさしいものば.かりではないはずです。充分な研究と、慎重な準備を整えて、運命をきり開いてゆかれる事を切望します。