九紫火星 (離-火)
天 象
夏・太陽・虹・暑い・暑熱・早天・日中・晴天・六月(午月)・午前十一時~午後一時(午刻)・南方三〇度
色・数
赤・紫・二・七
象 意
火・火災・熱・光・明・貴・太陽・政治・学問・知識・教育・天命・二つの作用・最高・名誉・麗く・分離・分裂・破壊・対立・戦争・生別・死別・切断・隔離・権利・出現・発覚・浮上・輝く・辞退・解雇・除名・立腹・憎悪・怨恨・傷心・焦燥・高悼・紛争・批評・公難・表面・装飾・華美・奉祝・椅麗・写真撮影・見学・鑑定・測量・勝負事・賭事・参拝・手術・切腹・放火・焼死・火葬・お祭り・結婚式・見物・栄転・昇格・神霊・信仰・再会・二度目・離婚
人 物
中年の女性・美女・高位・高官の人・教養のある人・知識人・双生児・養女二一号・選挙・学者・医者・聖人・狂人・時の人・未亡人
職 業
宗教人・教育者・医師・審判官・試験官・裁判官・鑑定家・監督・官公吏・理容師・新聞記者・著述業・書家・役者・化粧品・小間物品・装飾品販売
身 体と疾 患
心臓・眼・視力・頭・頭脳・血球・頭髪・乳房・額・脳病・心臓病・眼病・熱病・高血圧・頭痛・乳房の病気
場 所と建 物
高地・高台・頂上・噴火口・火事場・裁判所・警察署・交番・検査所・信号所・消防署・見張所・灯台・高層ビル・劇場・デパート・博物館・繁華街・学校-図書館・教会・競技場・式場・紫宸殿・塔・鳥居・楼閣
具 象
鏡・工芸美術品・装飾品・眼鏡・レンズ・写真機・文具・教科書・薬品・株券・公社債・手形・書籍・書画・証書類・印鑑・旗・電灯・ランプ・マッチ・ライター・神仏具・金・石.・木像・武具・照明具・測量機具・高級品・看板
食 物
海苔・貝類・かに・色どりの美しい料理・干物・馬肉・欄酒・鰻・西爪
動 物
雉・七面鳥・孔雀・金魚・亀・かに・馬
植 物
紅葉・南天・百日紅・しそ・夏咲く花類
九紫火星
先天定位盤
後天定位盤
九紫は九紫火星、あるいは九紫火星と呼ばれています。五行の中では「火気」です。木星や金星、土星と違って火星は九紫一つだけです。
九紫の後天定位は南です。先天定位盤では南は六白です。六日は太陽のかたちで火の元であり、九紫はそのはたらきである光・熱を持っていると考えればよいでしょう。
人類は火を発見した事により進歩したとさえいわれていますから、火を知識・文明のみなもと源として考えた事は、少しも不思議ではありません。そして古代人は火を何か神秘的なものとして崇めさえしました。
仏教の世界では人の魂が南で生れて北に帰るという説があります。(肉体は東で生れて西方浄土に帰るのである事は、「七赤金星」の章に述べてあります)。
人間の魂が生れる所が南であると考えたからこそ、おめでたい時に紅白の色を使うわけが、解るような気がするではありませんか。すなわち南の先天六白の色は白、後天九紫の色は赤です。
一、紫
紫色は古代中国では、最高を表わす色として使用されていました。紫色の服を着る事は官吏としてほ最高の栄誉でした。
紫官(皇后)・紫極(天子の位)・紫微(天帝の座)・紫宸殿(政治を行う所)等の言葉からも充分想像が出来るでしょう。
僧侶が最高の座に着くと、天皇から勅許を得て着る衣の色が紫色であったと言われていますが、現在でも宗派によっては最高位の僧侶は紫衣を着ます。
二、九
紫と同じく、九は最高を現わす数でした。九五(天子の位)・九天(宮中)・九拝(深く敬意を表わす事)・九死に一生・九牛の一毛など、ざっとあげてみても極限を表わす字として使っています。
最高という事はもう上がない事です。一から始まって九まで登ったら後は、下りるだけです。そこが又九紫の非常に難しい所です。いかにして最高を保つか、が問題となります。
三、火
火は人類に欠かす事が出来ないものです。人類の文化を発展させたのも火であり、この上発展させてゆくのも火であるといっても過言ではないでしょう。古代ギリシアでは世界を支配する調和統一の法則は火であるとさえいっていますし、現代でも石油(火)を制覇するものは、世界を制覇するといっているではありませんか。
日本は勿論の事、世界中のあらゆる国で火を神聖視し、宗教の対象としていた事は周知の事実です。
火は人間の生命力の象徴でもあります。地球の内部にはあかあかと燃えている火がある事は誰もが知っています。人間も同様に肉体の内部ではカロリーが燃え続けて、体温を保っています。もしも生命の火が燃えなくなれば体温は冷えて一生は終りを告げるのです。
水は環境や場所に応じて自由にその姿を変えますが、どんな時でも水自身が持っている本来の性質を失う事はありません。これと対照して、火は何かにつく事によって始めて火の本性を示します。つまり、何かにつかなければ光や熱を発する事が出来ません。火は水と違って摩擦か、刺激によらなければ発生しません。そこに人は、生命のあかしとしての火を見たのでしょう。どんな生物でも静止している状態では、次の新しい生命を生み出す事は出来ません。そこで九紫火星の象意には相手がなくては起こらない現象の離別・対立等があります。
ろうそくの火が燃えているのをよくみると外側は赤くて、内側はくらい色をしています。それで火は中が空虚であるといわれています。外側は明るく、はなやかで.ある所から装飾・名誉等の象意も出てくるのでしょう。
四、人物
九紫の表わす代表的人物には中女があります。中女とは二番目の娘という意味で、若くもなければ、年をとってもいない女性の事です。普通は中年の女性としてみればよいでしょう。しかも、この中女は美人なのです。火の持つ明るさ、はなやかさを人で表わせば、やはり円熟した美女となるのでしょう。
南か九紫の遁甲している方位に行けば、必ず中年の女性と何らかのかかわりを持つでしょう。
九紫火星の方位に移転・移動出来る人は、生年・生月、二黒土星、五黄土星、八白土星、四緑木星・三碧木星の人です。