九気の示す現象ー八白土星

八白土星 (艮-山)

天 象
立春・気節の変り目・曇天・天候の変化一月(丑月)二月(寅月)・午前一時~三時(丑刻)・午前三時~五時(寅刻)・東北方六〇度

色・数
黄色・褐色・五・十

象 意
山・親戚・継目・節・相続・親子・兄弟・姉妹・改革・交代・変化・断絶・曲り角・停止・終点・閉店・廃業・再起・復活・集団・組織・組合・交代・組み立て・貯蓄・終始・連絡・取り次ぎ・進級・中退・連鎖反応・接続・連繋・反転敵船・伝統

人 物
小男・幼児・相続人・兄弟・親子・後継者・強欲の人・肥満した人・女系家族・仲介者・売春周旋人・養子・山伏・山中の人・囚人・再生業者・不動産業者・少年・孤児・親友

職 業
ホテル・旅館業・アパート・倉庫業・不動産業・家具店・山寺の坊さん・案内係・建築業・家具店・貸ビル業・デパトト・スーパー・牛肉屋・ガードマン

身 体 と疾 患
腰・筋肉・関節・脊髄・耳・鼻・右半身・手足・盲腸・腰痛・中風・リュゥマチ・関節炎・小児マヒ・肋膜・骨折・痔・盲目

場 所と建 物
山・高台・土手・堤防・築山・突き当り・墓地・石段・崖・交差点・石垣・ホテル・アパート・マンション・停車場・倉庫・物置・駅・行き止りの家・出入口・玄関・橋

具 象
二個のものを繋いで一個にしたもの・椅子・柵・屏・壁二戸・襖・障子・チョッキ・貯金・縁台・数珠・ネックレス・重箱・積木

食 物
牛肉・牛肉料理・挽き肉・数の子・鱈子・すじ子・かまぼこ・団子・最中

植 物
竹の子・苛・甘藷・馬鈴薯・山芋・百合根・つくし・木になっている果実

八白土星

八白は土星です。九気の中には土星が三種類あります。すなわち二黒土星、五黄土星、八白土星です。

二黒は大地の土で陰性です。五黄土星は二黒と八白の中央に位して、両土星を司どり、強力なエネルギーを含んだ土星です。八白は山の土で陽性の土です。易経には「兼山艮」と書いてあります。「重なりあった山が艮である」と言う意味です。又、易経の説卦伝には「艮東北之卦也。萬物所成終而所成始也」とあるように、八白の定位は東北で、東北は万物が終る所であって始まる所です。なぜかといえば左の図でも解るように、九気盤を四季に配すと、八白の定位は冬と春の境目にあります。旧暦では二月の立春からを新年としていますから丑月(一月)は年の終りであり、寅月(二月)は年の始めとなります。

季節にとっても、年にとってもすべての終りは丑で、始まりは寅となりますから、万物の終る所、始まる所と説いているのでしょう。

一般には東北方位を丑寅といったり、艮といって、またの名を鬼門ともいいます。

一、鬼門

鬼門とは字の如く、鬼の住む所という意味で、昔から今に至る迄非常に恐れられています。なぜ東北を鬼門と呼んだのか、については色々な説があって、いずれも一面では理があると思われます。

東北は肉親の縁・上下の結びつき・家風・伝統を司どるはたらきを持つ八白の定位です。けれども又、東北八白は改革・断絶・停止等のほたらさも合わせて持っているのです。伝統・家風・肉親の結びつきを破るのは滅気八白の作用ですが、その様な非道なしわざは鬼のやる事であるから、東北(丑寅方位)は鬼の住家であるという事から鬼門と呼んだとあります。あるいは、昔、中国で暦に使った二十八宿星座という天空の星座がありますが、その中の鬼宿という星座が、節分の頃に東北に回るので鬼宿、すなわち鬼門と呼んだとの説もあります。
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あるいは東北はものを生み出す大切な所であり、いつもきれいにしておかなければならない所です。色々な人がその門をのぞいたり、踏み荒してはいけないから鬼の番人を置いてあるので、鬼門と呼ぶのだともいわれています。

いずれにしても鬼門は侵すべからざる所と考えられています。徳川時代には江戸の鬼門にあたる上野に寛永寺を建てて、江戸城の鎮ご護を祈ったという事です。

年の終りであり始めである節分に、枡に入った豆をまいて行う年越の儀式は現代でも受けつがれて、多くの家庭で行っています。すなわち東北の終陰発陽のほたらきをかたどったものであり、陰鬼を追い払い、陽福を招くという意義深い行事です。

二、継

東北の丑には結ぶという意味があります。丑は「紐」から出た字であるといわれています。八白は結び目、継ぎ目です。

父母・自分・子孫は縦の線、配偶者、兄弟姉妹は横の線で、いずれも八白の継続・連結のほたらきで結ばれています。人体でも一個一個の骨が継ぎあわされて背骨、腰骨、肩となり、その他大小さまざまな関節(継目)にょって継ぎ合わされています。従ってそれらの場所に故障が起これば、たとえ病気であっても、事故であっても、その源は鬼門(滅気八白)から出ているのであるといわれています。すなわち、その人の相続縁・家庭縁に色々な問題がある事を表わしているといいます。

三、人物

父母。妻子・兄弟・祖父母を始め叔父、母・従兄弟・親戚・親友・同業者・弟子等を八白であらわします。

人が親戚とどのようなつきあいをしているかをみる事は大切な事です。仲よく、大事つきあっている人は生気八白の人であり、ほとんどつきあいのない人は、八白の滅気を持っている人であると思えばよいでしょう。

結婚して親と同居したけれども、妻と母親の間がうまくゆかない、あるいは自分の仕事の後継者がない、親子兄弟の間で争いが絶えないなどの問題は、すべて八白の滅気を持った人がいるからだと思っても、間違いはないといわれている位なのです。

自分が八白の凶方位にいったからという事も勿論ありますが、それ以前の問題も入っている事がよくあります。

その様な家庭の人にとっては、八白の吉方は大事な意味を持っているでしょう。

八白を吉方として用いる事の出来る人々は二黒土星・五黄土星・七赤金星・六白金星・九紫火星の人達です。