一白の八方位における現象

一白の八方位における現象

1、西南一白

西南一白

西南一白

西南は二黒土性の定位です。二黒は土を司っています。水分のない乾いた土からは何も穫れませんが、適当に水気を含んだ大地からは無限の収穫物が得られます。一白水性の遁甲している西南に行けば、どんな現象が起るでしょうか。

吉の現象

西南一白に吉方で移転したり、移動すれば人生の土台となる基礎を造る事になります。適度に水分を含んだ土は柔軟で、多くの物を産み出します。……開運の緒についたのです。一足とびに急に良くなるのではなく粘り強く、コツコツと丁寧に根気よく努力を重ねていって、遂には大成する方位です。従って受験や選挙等を間近に控えた人には、たとい吉方であってもあまり効果は期待出来ません。   良き妻・艮き友に出違うのもこの方位の特徴です。自分の部下の根強い支援を受けるでしょう。

凶の現象

西南一白に凶方で移動・移転した場合は「無」と言う二黒特有の現象が滅気の形ではたらきます。感覚は鈍化し、頭脳がはたらかなくなって無気力となり、情熱を失います。ちょうど水分を失った土のように、柔軟性を失っていますから、若い人も枯木同様、新しい芽を出す事もありません。自分本来の特技・個性も生かしきれず、だらだらと怠けて職さえ失う結果となりかねません。

西南は重縁を司る所ですが、滅気の現象となれば、自分にとってはマイナスの面を持った妻と結ばれ、腐れ縁となる可能性があるでしょう。

2、東方-白

東方-白

東方-白

一白が東に遁甲しますと、西には五黄土性が遁甲します。従って一白は暗剣を帯びますので、吉の現象はいっさい起りません。

東は青少年を司る所であり、新しく生まれたものを育てる場とされています。もし間違って東方一白に移動したとしますと、子供の才能をつみとってしまう事になるでしょう。

事業を興すのには東の生気が必要ですが、この場合は反対に破れる恐れがあります。

秘密にしていた事、隠していた事が表面化するでしょう。

結ばれるべきではない相手と結ばれるとか、新しく出来た愛人との間にトラブルで悩むでしょう。

3、東南一白

東南一白

東南一白

東南は四緑の定位です。四線は調う、信用、縁談、商談、取引きを司ります。

吉の現象

東南一白を吉方で使った場合、周囲から信用されて、援助を受けるようになり、繁昌します。縁談・結婚・商談・取引きなどの交渉は遠方からも起って来ます。非常に多忙になる時でもあります。生活も安定し、精神的にも充実して来るでしょう。

凶の現象

東南一白に凶方で移動したり移転すると、才能があっても認めてもらえなくなります。信用も失い、自分に有利な取引きはいっさい成立せず、不利なものだけが調い、損をするでしょう。

縁談も同様に悪縁と結んだり、不調となってしまうでしょう。

4、西北一白

西北一白

西北一白

西北は六白の定位です。六白は天を象徴している所で神霊の宿る神聖な場所である、とされています。

完成・中心人物・始動等を司ります。

吉の現象

西北は天道・天徳を司る所です。吉方で西北に移動すれば、天の助けを得られると言います。上長の助けを得るとか、名誉や地位のある権力者に援助される喜びがあります。自分も又地位を得るとか、昇進する事があります。

非常に活動的になり、忙しく動きまわるでしょぅが、かなりの成果が望めます。

凶の現象

西北一白に凶方で移動すれば、自信過剰になったり、慢心したりして、自分勝手となりやすくなります。目上にはむかうとか、目上との意志の疎通が失われて、後援者・庇護者から見放されるでしょう。

進取の気性や活動力が衰えて、気が小さく滅入ってしまうのも、その特徴の一つとされています。新しく事業を始めたり、投機をすれば失敗に終るでしょう。

5、西方一白

西方一白

西方一白

西は七赤の定位です。西、あるいは七赤は、金銭・芸術・よろこ悦び・酒食等を司ります。

吉の現象

西の一白に吉方を使って移動するか、移転をすると金融関係が好転し、各自の分に応じた金運に恵まれます。自分が本当に求めていた人と巡り会えるとか、縁談・結婚等の悦びがあるのもこの方位の特徴です。芸術的なセンスが磨かれて、作品も洗練されたものになって来るでしょう。

凶の現象

西方一白に凶方で移動すれば、金融感覚がルーズになり、無駄な浪費も平気でするようになるでしょう。生活も派手になって、贅沢三昧をするとか、自分勝手な行動をするようになるでしょう。

例えば非常に優秀な才能を持ち合わせていたとしても、酒色に耽るとか、賭け事で身を持ちくずすとかしてしまうでしょう。

軽はずみな行動をとったり、口から出まかせにしゃべったりした事から、経済的にも破綻が来て、次第に自滅の方向に押し流されてゆくでしょう。

6、東北一白

東北一白

東北一白

東北は八白の定位です。

八白には、組織・国家・家庭・肉親・不動産・改革・変化等を司っています。

又、停止・反逆・蓄積等の作用もあわせて持っています。

吉の現象

東北一白に吉方で移動・移転すれば、組織の強化を計るとか、改革をするなどで今まで行き詰っていた問題が急に解決します。不運続きで家庭内部にも、肉親の争いが絶えないような場合に、窮余の一策として用いれば好結果が得られるでしょう。

旧状を改め、整理・転換等を行って、建て直しを計るには最適の方位でしょう。

凶の現象

東北一白に凶方で移動・移転すれば、家庭内に対立が生じ、相互の信頼関係は裏切られます。後継者の問題、相続の争い、不動産の問題等、解決ははかどらず、えんえんと長引くでしょう。

仕事の問題もうまくいかなくなって、失職の憂き目に会ったりするでしょう。

親切な気持で接した相手からは恨まれたりするばかりか、反対に争い、憎みあったりするような事にもなりかねません。

7、南方一白

南方一白

南方一白

南の定位は九紫火性です。南、あるいは九紫は『火」を司る所とされています。「火」とは、太陽の光も熱のエネルギーも、火と考えられています。

九紫の象意は、最高位・名誉・明智・心眼等で、どれをみても知性を象徴している優れたものです。天才とか学者あるいは高僧等は、何らかの形で、この方位の生気が必要であるとされています。従って学問・研究等の知的職業あるいは芸術・宗教等の精神労働を必要とするカテゴリーにおいては、欠く事の出来ない用きを持つ所です。しかし、南方一白に限ってはたとい吉方であっても移動・移転は避ける方が賢明でしょう。なぜならば水と火は五行の中で、互いに相魁の関係にあるからです。他にも、相魁の関係にあるものはありますけれども、火と水に限っては、他の五行の相勉とは違って、互いにそのはたらきと形を完全に消し去ってしまう位の、激しい起し方をするからです。

燃えあがる火は、水を完全に乾かしきりますし、大量の水は火を消し去ってしまいます。単に火の持っている良いはたらきを消すだけではなく、反対の滅気が作用して、悪い面が出て来るからです。自分では、思いもかけなかったのに、目上の人の名誉を傷つけるとか、人との争いが起るとか、離別・背反となるなどです。